名前(和名) |
ドロマイト(苦灰石) |
名前(英名) |
Dolomite |
分類 |
炭酸酸塩鉱物 |
化学組成 |
Ca(Mg,Fe,Mn)(CO3)2 |
結晶系 |
三方晶系 |
硬度 |
3.5〜4 |
比重 |
2.85〜3.02(Fe,Mnの増加とともに増す) |
色 |
無色〜白色透明、Feの増加により黄褐〜褐色、Mnの増加により桃〜赤色 |
外観 |
ガラス〜真珠光沢 柱状、板状、八面体結晶、貝殻状断面 |
劈開 |
完全 |
条痕 |
白色 |
ドロマイトは、カルシウム(Ca)とマグネシウム(Mg)を主成分とする炭酸塩鉱物です。
多くの場合、石灰岩(方解石)とともに産出し、セメント材、製鉄用耐火レンガ材、マグネシウム鉱石として採掘されます。主してドロマイトよりなる堆積岩は、苦灰岩と呼ばれます。苦灰岩は、海底に堆積した石灰岩のMg交代作用によるものです。交代作用は、石灰岩の堆積過程でも続成過程でも起こったと考えられています。世界各地の各地質時代の堆積岩中に広く分布しますが、国内では苦灰岩や苦灰岩石灰岩の分布はあまり多くありません。
ドロマイトの結晶は、結晶面が湾曲になる特性があります。
ドロマイトの名は、フランスの地質・鉱物学者ドロミュー(Dolomieu)の名にちなみます。日本名は、主成分であるマグネシウム(苦)とカルシウム(灰)から名付けらました。
モース硬度が低いことと、完全な劈開性により脆いため、装飾用にはあまり適しませんが、高い複屈折率により強く美しい輝きを示すことから、透明で大きな結晶はカットされて宝石とされます。
エウギ鉱山は、スペイン北部のピレネー山脈の山麓に位置し、周辺は古生代の堆積岩が分布しています。1940年代に耐火煉瓦材として苦灰岩を採掘する鉱山として開発され、現在も稼動しています。
エウギ鉱山では、1965年に最大20cmにも達する苦灰石の結晶に充ちた大きな晶洞が発見されました。鉱山の開発責任主任技師は、その価値を認識し、晶洞内の結晶は、慎重に採掘されて標本として販売されたことから、世界中の博物館やコレクターから注目を集めました。特に、貫入双晶した透明な結晶はコレクターを魅了しました。
現在は標本の産出量は多くはありませんが、その美しい結晶はコレクターを魅了し続けています。
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